カテゴリ:昔話( 3 )

こわい話

最近筒井康隆の「パプリカ」という本を読んでおります。

話の内容はこちら。

天才精神科医が精神分裂病患者の治療のためにある機器を発明。
これを使うと患者の夢にアクセスすることができる優れモノ。
夢の中で分裂病発症の根源を発見・治療する。
最終的には夢と現実が交錯して区別がつかなくなる。

もちろんそんな機器は発明されてないからフィクション。
なかなかおもしろかったです。

大学院時代に心理学を学んでおりました。
もちろん博士課程まで進まなかったので研究というよりは勉強。

私はバリバリの実験心理学の分野に籍を置いていたので毎日実験してました。
もちろん同じ大学院には実験心理学を専攻していない人も多数。
当時バブルだった分野です。

   臨床心理学

この分野って今でもバブルなのかしら?
私が院生だったときはすごいバブルだった。
「臨床心理学系大学院に入学するには」的な本まで出版されてましたな。

臨床心理学は精神的に弱ってしまった人を治療する色々な方法を学ぶのだけど。
筒井氏の小説のように「夢」を分析したり、
ただインクを垂らしてできた絵を見せて「何に見える?」って質問したり、
時には催眠術に近いことをやったり。

とにかく、とにかく…!

   私の理解を超越していた!

心理学は理系の実験系とは違って人間を使って実験します(被験者と言う)。

心理科の人間は本実験で被験者を使う前に知り合いなどにお願いして
実験の「練習」をさせてもらうことがしばしば。
臨床・実験領域の学生はお互いに持ちつ持たれつ協力しておりました。
私もよく被験者になったモンです。
(以下、実験者=実)

実「このインク、何に見えますか?」
私「う~ん。鳥っぽいな」

実「このインク、何に見えますか?」
私「2人の人間が太鼓をたたいてるように見えます。」

実「このインク、何に見えますか?」
私「そうですねぇ…。女性かな…。」

こんな感じで延々と質疑応答が続きます。
1週間ほど分析にかけて個室に呼び出されるワタシ。

実「小さい頃に受けた心的外傷(トラウマ)が影響を与えてます。
  それについてどう思いますか?一緒に話しましょう。」

   は?

ちょっと待ってください。私は「鳥」とか「太鼓」とかって言っただけですよ!
何でそれがトラウマに発展するんですか!

しかも小さい頃って大抵の人間が友だちとか親・教師から受けた傷を
持っているもんなんじゃないんですかい?
誰にでも当てはまることなんじゃないんですかい?

   ふむ。謎めいている…。



分析の後、「ねぇねぇ。何でそんな結果になったの?」と問い詰める。
(実際の被験者は教えてもらえない)

「このインクを見て“鳥”って言ったよね。これはこの部分を…云々。」
「しかも答えるときに“そうですねぇ”って言ったでしょ。これはね心の葛藤を…云々。」

   えっ…。(絶句)

「そうですねぇ」って言っただけで「心の葛藤」って…。
それじゃいつも「そうですね!」って言ってる
笑っていいとも!の観客は心の葛藤だらけなのかっ?
臨床心理学を批判しているわけではないけれど…ね…。

もちろん心理療法は科学的実証に基づいているので疑うことはアホなんですけど。
でもま、正直「ホントかいな~?コワッ!」っとひっそり思っておりました。


そういえば院生時代によくこんな恐ろしきことがありました(実話)。
心理学科があるフロアで立ち話してたときのこと。

「昨日怖い夢見ちゃってさ~」
すると臨床心理領域の友人が飛んできて

   夢分析させて!!

「最近漢字をよく忘れちゃうんだよね~」
すると臨床心理領域の友人が飛んできて

   知能測らせて!!

「寝つきが悪くてさ~」
すると臨床心理領域の友人が飛んできて

   催眠療法やらせて!!


ね。世にも恐ろしい物語でしょ。ひえ~!こわっ!
やはり臨床心理学は私の理解を完全に超越しております。
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by wind-of-michigan | 2006-01-26 04:14 | 昔話

物持ちの良い女

今日のミシガンは珍しく青空が覗いてます。1週間ぶりくらいかな。
日光が雪に反射して眩しいくらい。
天気が良いとルンルンしてくるから不思議だなぁ。
(ルンルンするからといって雪で狂ったようにきえーー!って遊ぶことはしないけどね)



最近大きな悩みが出てきた。それは…。

   大切にしてきた物が壊れたり使い勝手が悪くなってしまった。

へ?そんなことかよ!って思ったアナタ!私にとっては非常事態なのです。
私、めちゃくちゃ物持ちが良い。平気で長い間同じものを使っていたりします。
そんな私の大切な子達が次々と脱落していく様を見ると…。うぅ…。

1番長い付き合いだったのは高校時代に買った筆箱。
8年くらい使ってました。
安物だったんだけど愛着がわいてしまって捨てられなかった。
結局仕事先で物をつめすぎてチャックが壊れちゃったんだけど。

ここで私が言っている「物」は大抵高価じゃないです。
精々2000円以内。でも捨てられない。

物はいつか壊れる儚いもの。
その儚いものに対する執着心が非常に強いワタシ。
瞬間とか絆とか人間の情とか、そういったものに異常に執着したがる。

そんな性格のせいか実家は片付かない片付かない。
渡米前のぐっちゃんぐっちゃんのぎったんぎったんな部屋を見て母が一言。

   「ほんとに女の子?」     ・・・・・・・・・・・すいません。
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特に長い付き合いだったのは以下の3つ。

日本で使っていた携帯電話。6年くらい使ってました。
カメラとか高度な機能はもちろんナシ!
「生きる化石」と言われておりました。

今はもちろん使えない。
日本にいたらあと5年は余裕で現役。



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それからこのトレーナー。
大学時代に友人と古着屋さんに行って鮮やかな緑色に一目ぼれ。
6年くらい愛用してます。

しかし先日ぼーっとしながらコーヒーを飲んだら
びしゃあ!とこぼしてしまった。。。シミになってしまったのでお別れです。







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最後にこの財布。しかもいわく付。
大学2年くらいから使っているのだけれど今までずっと使っていたわけではないのです。
使ってない時期がありました。

理由は使い始めて2週間くらいで大学内でいきなり盗まれたから。
かなりヘコみましたが自分の管理不足と諦めました。
ここからがいわく付たる所以です。
大学4年生のとき研究室に行くと「至急学務へ来い!」との置手紙。
「えっ?なに?単位が足りないのかしら?どきどき…。」
「それともこの間の酒飲んでバカ騒ぎしたのがばれたのかな?どきどき…。」
いろいろな心配事が頭をよぎる・・・。

学務のオヤジ
「あ、WOMIさん~?この財布ね誰かが拾ってくれたらしいんだけどね。」


「え!?ホントですか?諦めてたからすごい嬉しいです!」
あれ?学部2年WOMIさんって書いてある。私今4年なのに。

   ?????

学務のオヤジ
「さっきさー金庫掃除してたら出てきたんだよね。2年前に渡すの忘れてたみたい。ははは。」

   殴っていいですか?

財布の中に色々なものを入れる私は当然学生証も入れていた。
財布を盗られたと同時に学生証も紛失してしまった。
再発行のため学務に行くと
「何で失くすの!本当に今の若い子はだらしがないねぇ!」と

   財布を渡してきたオヤジに叱られたんですよ!!

誰でも経験はあると思うけど大学の学務ほど怠慢なものはない。
あれで国家公務員だから困る。本当に困る。

ま、そんなこんなで思い出の品ですが日本円サイズきっちりに作ってあるので
ドルが微妙に入れにくい。そんなわけで新しい財布を購入することに。
日本に帰ってからまた活躍してもらいます。



言葉には「言霊」と言う神様が宿るというけれど
私の愛着物にも確実に魂宿ってます。そう思うと余計に手放せない。

こんな性格のため「使い捨て社会」のアメリカにはまだまだ抵抗がある私でした。
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by wind-of-michigan | 2005-12-08 23:59 | 昔話

労働の自由

アメリカに行ったら絶対働こうと思ってました。
業種は何でも良いから社会に出ているんだという感覚が欲しかった。

でも働けないかもしれません。
色々な事象が重なっております。

   労働の自由が侵されている!

アメリカでこんなこと感じるなんて。がくっ。

「労働」で思い出した昔話を1つ。

私、昔予備校で講師やってました。
予備校って言うと格好良いかもしれないけど平たく言うと塾の先生です。

でも塾の講師って辛いんです。
自分の授業で成績が上下する責任の重さ・サービス残業・生徒統制・・・。
でも一番辛いのが

   営業・・・

これを読む営業の方、「そんなんで愚痴ってるの?弱いねぇ」
と思うかもしれません。

しかし、私が講師という枠で入社していることを分かって欲しい。
それから私には通常の業務があるということを分かって欲しい。

仕事が終わってからの次の日の予習
成績管理
保護者からのクレーム処理
テスト作成
先輩講師に授業を見られるため日々授業練習

ここには書ききれないほどの業務
(あまり詳しく書くと企業が特定されてしまうのでやめときます)が私を手招きしている・・・。
ああ!恐ろしい!!

そんな山積み業務の中でも営業が一番辛いのです。

もちろん塾も企業なので生徒集めは必須事項。
生徒が入塾して月謝を払うから企業として成り立つわけで。
でも、

   教師が入塾勧誘の電話ってします?

普通はしないよね。これって本部の仕事じゃないのかしらん?
しかも就職の際こんなこと規定に載ってませんでしたよ!きぃ!
休日会社に出勤させられて、電話番号渡されて延々勧誘電話。

電話もこっちの企業名言ったら「ガチャッ!」と切られるならまだ良し。
たまにすごく切れてくる方もいる。
「どこで電話番号入手したんだ!?訴えるぞ!」
そりゃそうだ。
これ、5件に1件は言われてました。

   死にたい

本気で思いましたね。
あと3年くらい働いていたら首つってたかもしれない。

それからこれも辛い。

   塾生への営業

「ねぇねぇ、友だちで誰か塾入ってきそうな子いないのぉ?」
と既に塾に入っている生徒に聞くわけだ。

最初はおもしろがって「~さんは入りたいって!」と
気さくに話してくれていた塾生も、こちらがあまりにしつこく言うモンだから
「いい加減にしろや!」ムードがヒシヒシと伝わってくる・・・。

ごめん、ごめんよ~。私だってこんな話したくないよ~。
休憩時間くらいあんた達生徒と楽しく会話したいよ~。
でも聞かないと上司に怒鳴られて
社内報とかに「営業成績worst 1」って載っちゃうんだよ~。

こんなジレンマが年中続きます。
来る日も来る日も、雨の日も雪の日も、

   営業・営業・営業・・・・・・・

私が社員だった当時は生徒の成績を飛躍的に上げた講師よりも、
営業成績が良い講師の方がはるかに評価が高かった。
おそらく今もそうなんでしょう。

仕事してた時は明らかにヤツれていました。今より6kgくらい痩せてた。
毎日営業ノルマと授業準備が頭の上に乗っかってきて、
不安で不安で食事が喉を通らない日が多々ありました。
標準体重より10kgくらいマイナスで見るからに不健康だった。
「わ~スリム~」の域を越えてました。マジで。


そんな会社でもそれなりにやっていけたのは
同期の人々が最高に良い人達だった。
仕事を辞めて8ヶ月経ちますが今でも連絡をくれます。
来年は遊びに来てくれるみたい。楽しみにしてます。

結局今となって言えることは

   働けないのは辛い、でも働きすぎも辛い

ってことでしょうか。

働きすぎの皆さん!体には気をつけてください、と
心の中で切に願う今日この頃です。
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by wind-of-Michigan | 2005-11-04 12:35 | 昔話